自然災害の“予兆”を見逃さない防災IoT端末
「Smart-Link」に『MEEQ SIM』を採用

ジオテクサービス株式会社 様

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MEEQ 閉域ネットワーク接続

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毎年のように台風や集中豪雨による洪水や土砂崩れといった自然災害が発生し、その被害が拡大傾向にあるなか、橋やトンネル、道路など社会インフラの防災対策は年々その必要度を増しています。一方で、建設から50年を超えるインフラも増加しているなか老朽化対策も喫緊の課題となっており、限られた予算のなかで社会インフラの維持管理を迫られる国や自治体にとっては、難しい判断が続いているのが現状です。

こうしたなか、大規模な工事を伴う“ハード面の対策”を進める前に、現地の状況や危険度をリアルタイムで把握し、適切な対策を考えたり、人命を守るための避難を判断したりするなど、“ソフト面の対策”を推進するケースが増加しています。このような公共のニーズに応えるべく、40年前から防災モニタリングシステムに取り組んできたのが、ジオテクサービス株式会社です。これまで地盤の動きを捉えるセンサーや気象状況を把握する気象センサー、環境データを記録するデータロガーなどを開発してきました。そして、2025年12月に各種センサーを接続でき、データロガーと通信機能を一体化したオールインワン型データ端末『Smart-Link(スマートリンク)』を開発。その通信手段として、「MEEQ SIM」をご採用いただきました。製品開発の背景や「MEEQ SIM」の選定理由などについて、ジオテクサービス株式会社 技術開発部長の佐藤朗さんにお話を伺いました。

ジオテクサービス株式会社 技術開発部 部長 佐藤朗さん
ジオテクサービス株式会社 技術開発部 部長 佐藤朗さん

課題/ソリューション

課題
  • センサー個々に通信機を配置するため安価なSIMを使用したい
  • 山間地も含む広いエリアで通信環境を確保したい
  • 公共データを扱うためセキュアな通信環境を整備したい
ソリューション
  • 低容量に対応した安価なIoT専用プランを提供
  • 3キャリア対応で機器の設置環境に応じた通信回線を使用できる
  • SIMコネクトで安全性が高くシンプルな閉域ネットワークを提供

“常時接続”の理想を実現。3キャリア対応と低コストが後押しした次世代端末の開発

「ジオテクサービスは1976年の創業以来、半世紀に渡り防災モニタリングの技術開発に地道に取り組んできました。35年前には、『地すべり自動観測システム』という最初のオンライン計測システムを開発。当時は山の中にある観測点の地盤の傾斜や水位を無線機で麓まで伝送し、そこから公衆電話回線を使ってデータ送信し、パソコン上で自動監視するというものでした」。

長年にわたり防災モニタリング技術で日本のインフラを支えてきたジオテクサービス様。時代に先駆けてオンラインのモニタリングシステムを構築し、20年前には携帯電話回線を使用したネットワーク型のモニタリングシステムを開発。そして、IoT技術の進化に合わせて、同社の防災モニタリング技術を結集した『Smart-Link』の開発へと至ります。

「Smart-Linkは、ソーラ充電コントローラー、センサーインタフェース、データロガー、通信機をひとつにまとめた、防災モニタリングにおける理想的なデータ端末です。長年の開発による進化を経て小型(5W)ソーラーパネルの発電量で賄える低消費電力で稼働することができ、通信機は常時待ち受け状態で運用。センサーが捉えた異変を素早く監視センターに届けることができます」と佐藤さんは語ります。

35年前のモニタリングシステム1号機
35年前のモニタリングシステム1号機

一般的にIoT機器はデータ通信の実行スケジュールを設定して、通信を行うタイミング以外はスリープ状態(通信を行わない状態)にします。しかし、このSmart-Linkは“常時通信を待ち受けている状態”であることに価値があると佐藤さんは説明します。「管理者からいつでも機器にアクセスできることに意味があり、アクセスできない状態にあるということは装置の故障や通信回線の異常など異変を察知するシグナルにもなります」(佐藤さん)。

こうした開発背景の中で、佐藤さんがまず重視したのは、通信の信頼性とコストパフォーマンスです。防災モニタリングでは広い範囲に多くのモニタリング機器を設置します。まず、その設置場所にどのキャリアのモバイル回線が通じているかは現地で確認し、安定的に通信できるキャリアに合わせて通信環境を構築する必要があります。佐藤さんによると、従来はひとつのキャリアで通信ができないと、その都度別のキャリアを契約して通信環境を確保する必要があったのだそうです。

また、各モニタリング機器に直接モバイル通信機能を持たせるアプローチは、独自のネットワーク環境を構築するよりもシステム構成がシンプルになる反面、使用するSIMの枚数に比例して通信コストが増加するという課題がありました。「低コストのモバイル回線を大量に使用でき、かつ環境に合わせて3キャリアを柔軟に使い分けられる」という「MEEQ SIM」の特長は、まさにジオテクサービス様のニーズに合致したのです。

「『MEEQ SIM』を導入することでコストの懸念が払拭され、低容量の回線を気兼ねなく使えるようになりました。また、通信キャリアも柔軟に運用できるようになったことで、センサー1個ごとにSIMカードを用意して“すべてのセンサーに通信機能を持たせる”という理想的な防災モニタリングの環境に近づくことができました」(佐藤さん)。

Smart-Link外観
Smart-Link外観
Smart-Linkの設置状況
Smart-Linkの設置状況

公共データを守るセキュアな通信環境の構築

「MEEQ SIM」が選ばれた理由は、3キャリア対応のSIMカードを低コストで運用できるという面だけではありません。防災や社会インフラの維持管理では、自治体などの管理する公共データを扱うため、外部からのアクセスを遮断できるセキュアな通信環境が必要です。また、地震や停電などの広域災害に対しては、サーバー側の通信経路のバックアップも含めた、冗長性の高い通信経路の確保も求められます。そこで、Smart-LinkではMEEQが提供する閉域ネットワークサービスの機能である「SIMコネクト」をご利用いただいています。

「Smart-Linkの開発段階では、試験用に『グローバル固定IPオプション』を利用しました。しかし、固定IPアドレスは、インターネットでどこからでもつなげる便利さがある一方で、外部からの悪意あるアクセスも非常に多くなります。Smart-Link側でこうしたアクセスを遮断する対策を施しましたが、最終的にはSIM同士で完全にネットワークを閉じる『SIMコネクト』を採用することにしました」(佐藤さん)。

なお、一般的に様々な機器を繋いで閉域ネットワークを組んだ際には、そのゲートウェイとデータセンターやクラウドの間の通信にはVPNによる仮想専用線や物理的な専用線などを使います。佐藤さんによると、従来は主要キャリアのモバイル回線を活用し、ゲートウェイとサーバー間をVPNで結んだ閉域ネットワークを構築して、防災モニタリングのデータ収集を行ってきました。しかしSmart-Linkでは、機器と管理センターとの通信にも「SIMコネクト」を使用し、システム全体をSIM間通信の閉域網に収めているといいます。

「データ収集や現場への警報接点の送信はこの『SIMコネクト』で行っています。もちろん、モバイル回線は固定回線に比べて通信速度が落ちますが、計測ポイント1か所当たりのデータ量は平均で10MB/月と少ないため、問題ありません」(佐藤さん)。

Smart-Linkにおける「SIMコネクト」の運用を開始して4ヶ月、佐藤さんは「まだ40回線と少ないですが、これまで通信トラブルやデータの抜けは発生しておらず、信頼性は高いと感じています」と「SIMコネクト」の品質にご満足いただいています。

「回線当たりの月額料金は、おおよそ1/2から1/3に下がる見込みです。サーバー側にも『SIMコネクト』を使うことで、VPN回線の固定費も削減できます。現在は(従来機器が使用する)旧来からの通信環境とMEEQの環境が併存しているため、今後機器のリプレース(MEEQの導入拡大)が進むに従って運用コストは下がっていく見込みです」(佐藤さん)。

国内外を問わずシームレスな通信を。防災モニタリングの未来とMEEQへの期待

佐藤さんによると、2025年12月に発表したSmart-Linkは、すでに50件余りの受注を獲得しており今後さらに販売を拡大するとのこと。同社の従来モデルは全国で1000基ほど稼働しており、今後リプレースを進めていくとしています。また、Smart-Linkはすでに海外でも設置事例があるとのことで、今後は日本だけでなくグローバルで防災モニタリングの課題解決にSmart-Linkが活躍していく見込みです。

大きな自然災害の“予兆”を掴み、防災・減災に寄与する防災モニタリングシステムの普及を追求するジオテクサービス。その通信環境を支える「MEEQ SIM」は、今後も安定した通信環境を提供すべくサービスの拡充に取り組んでまいります。

Smart-Linkの設置風景

導入企業様情報

ジオテクサービス株式会社

ジオテクサービス株式会社

プロジェクト担当者部署・役職:技術開発部 部長 佐藤朗さん
ウェブサイト: http://www.geots.co.jp/index.html

  • 事業内容:地盤・気象防災ネットワークの構築および運用サービス/現場の安全管理システムの設置および運用支援/計測機器の設置および観測業務 等
  • 導入サービス:防災モニタリング用オールインワン型データ端末「Smart-Link(スマートリンク)」