燃料配送をIoTで大幅に効率化
労働人口減少の課題に挑む「物流DX」を支えるMEEQ SIM

岩崎通信機株式会社 様

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MEEQ SIMインターネット接続

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労働人口の減少に伴い、物流の効率化、省力化は持続可能な社会を見据えるなかで大きな課題となっています。特に、従来はアナログだった作業、属人的だった作業についてデジタル技術を活用することで効率化させるDX(デジタル・トランスフォーメーション)は、これからの社会課題を解決する方法として欠かせない選択肢となっているのは言うまでもありません。

岩崎通信機株式会社も、そうしたDXソリューションを生み出すことで持続可能な社会の創出に挑戦している企業のひとつです。1938年(昭和13年)の創業以来、これまでオフィス向け電話機、大学・研究機関向け計測器、ラベル印刷機などの開発・販売を展開してきた岩崎通信機は、これまで培ってきた技術を活かしてDX時代の新規ビジネス創出に挑むなかで「配送」に着目し、遠隔監視センシングシステム「EyeOwl(アイオール)」を開発しました。この「EyeOwl」のデータ通信基盤として『MEEQ SIM』をご採用いただきました。

「EyeOwl」の仕組みや効果、そのなかで通信環境として『MEEQ SIM』をご採用いただいた背景について、岩崎通信機株式会社 アドバンスドサービス部 部次長の太田孝行さんと副部長の菅野壽美さんにお話をお伺いしました。

岩崎通信機株式会社アドバンスドサービス部 部次長 太田孝行さん(左)、副部長 菅野壽美さん(右)

岩崎通信機株式会社アドバンスドサービス部 部次長 太田孝行さん(左)、副部長 菅野壽美さん(右)

課題/ソリューション

課題
  • SIMにかかるコストをできるだけ抑えたい
  • SIMを調達する手間を削減し速やかに用意したい
  • SIMの導入企業への割り当て状況を簡単に管理したい
ソリューション
  • センサーの低容量通信に適した料金プランを提供
  • 大量注文にも短納期で対応が可能
  • コンソール画面で導入企業に応じてグループ管理が可能

IoTを活用することで燃料配達業者の業務効率を大幅に改善

「『EyeOwl』は、燃料タンクの内容量をセンサーで読み取り、そのデータをクラウド上で一元管理することで燃料配送業者が顧客のタンク残量を遠隔で把握することができるソリューションです。私たちアドバンスドサービス部は市場ニーズに応える新しい価値を生み出していくことを目的にビジネスを展開しており、このソリューションは農業現場のニーズに応えることを念頭に開発されました」(太田さん)。

アドバンスドサービス部では農業DXに着目し、ビニールハウスの状態を監視するソリューションなど様々な可能性を模索していたといいます。そうしたなかで、実際にビニールハウスを視察に行った際に、ビニールハウスの傍らに設置されている燃料タンクに注目。農家の方にお話を聞いたところ、ビニールハウスの温度管理をするためにはボイラーが必要であり、そのボイラーを動かすための燃料を切らすことはできません。その燃料残量の把握には、配送業者が農家を1軒ずつ回り目視でタンクを確認して、補充の必要性を確認しなくてはならなかったそうです。「燃料補充の巡回配送はとてもアナログな方法で行われており、ここがもし遠隔で残量を把握することができれば配送業務の大幅な効率化に繋がるのではないかと考えました」(太田さん)。

この「EyeOwl」は、燃料タンクに燃料の残量を把握するためのセンサーと、データをクラウド上にアップロードするためのコントローラーを取り付けることで使用することができ、燃料タンクそのものの取り替えなどを必要とせずコストを抑えた形で導入できるのが大きな特長です。導入先は燃料などを事業者や家庭に配送する配送業者が多く、最近では農家のビニールハウス付属の燃料タンクだけでなく、自動車整備工場のオイルタンクや工場の重油タンク、家庭用の屋外灯油タンクなどにもセンサーが設置されているのだそうです。他にも、「燃料補充(残量を把握する)」だけでなく「廃油回収(蓄積量を把握する)」の分野でも活用されるようになってきたといいます。

遠隔残量センシングサービス「EyeOwl」の説明

「この『EyeOwl』の利点は、タンクの残量を把握できることだけではありません。配送エリアにある配達先タンクの位置を地図にプロットすることで最も効率的な配送ルートを設計することができ、現地に行ったことのないドライバーでもタンクの置かれている位置まで正確にナビゲートすることが可能。また、配送時の備忘録や電話注文の記録などをそれぞれのタンクにメモとして残すこともできます。加えて、タンクの補充履歴が記録されていくことでそれぞれの燃料消費ペースを把握することもでき、次にいつ頃補充に行くべきかという予測まで立てられるようになりました」(太田さん)。

これまで個別の残量確認というアナログな方法で行い、配送ルートの組み立てについてもドライバーの経験値に頼っていた従来の配送方法が、IoTを活用することで大きく効率化したのです。

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低価格、短納期、管理コンソールすべてがそろった「MEEQ SIM」

現在までに「EyeOwl」は燃料配達業務を行う企業を中心に日本全国で導入されています。そうしたなかで、タンクに取り付けたコントローラーがデータをクラウドにアップロードする際の通信手段のひとつとして『MEEQ SIM』が活用されており、すでに多くの回線が稼働しています。

「『MEEQ SIM』を導入するまでは、通信コストをどのように抑えていくかが課題でした。ソリューションの利用費用に占める通信コストの割合が高くなってしまうと、普及が加速しても利益が出にくいというジレンマに陥ってしまい、持続可能な事業になりません。その点で、コストパフォーマンスのよい『MEEQ SIM』を導入したことで、非常に助かっています」(菅野さん)。

また、SIMカードを調達する手間の少なさやスピード感も、非常に重要なポイントだといいます。「他社の場合、購入手続きに一部アナログな部分が残っていたり、柔軟性が乏しい部分もあったり、(ソリューション実装の)スケジュール感が見えにくい点が課題でした」(菅野さん)。「EyeOwl」の運用チームは少数精鋭体制で、事務手続きに割けるリソースは限られています。そうしたなかで、コンソール(管理画面)から必要な枚数を発注でき、最短3日でSIMカードが届く点を高くご評価いただきました。「EyeOwl」では一度に数百枚単位のSIMカードが必要になる場合もありますが、そうした際にも事前に調達計画をミークと共有いただくことで、数枚の調達時と変わらない短納期を実現しています。

そして、調達した大量のSIMカードの管理についても、MEEQが提供するコンソールによって効率的に行えると評価いただいています。「導入企業ごとにグループを作ってSIMカードを管理できる点が非常に大きいですね。コスト管理なども効率よく行うことができます。今後は『MEEQ SIM』を中心に導入していく予定です」(太田さん)。

顧客の声に応えながら、進化を続けるEyeOwl

最後に、今後の展開について、太田さん、菅野さんに伺いました。

「『EyeOwl』は2019年10月にローンチして以来、ローンチ当時の原型をとどめないほどシステムの改善・進化が進んでいて、様々な機能を盛り込んできました。その理由は、私たちが導入したお客様のご要望を聞いて、そのご要望に応える開発・実装を繰り返しているから。私たちは“お客様により便利に使っていただきたい”という思いから、『「EyeOwl」は完成した製品ではない』という意識を持って運用を続けています。これからもお客様の声によって『EyeOwl』をさらに進化させていきたいですね」(菅野さん)。

「『EyeOwl』は農家にある燃料タンクへの配送効率化をきっかけに誕生しましたが、今後は同じように効率化に課題を抱えている他の様々な産業にも導入を拡げていきたいですね。配送・回収業務のある、様々な産業において『EyeOwl』のシステムが導入できる可能性があります。また現在は一元管理と配送の効率化を実現しているツールについても、さらなる機能拡充を進めていければと考えています。IoTとはお客様の現場でヒントを見つけ出す、非常に泥臭いものだと考えています。これからも現場でデータ収集や活用のヒントを見つけ出して、システムをさらに進化させていきたいですね」(太田さん)。

燃料配送・廃油回収という従来はアナログだった業務のDXを推進し、顧客の声をもとに進化を続ける「EyeOwl」。『MEEQ SIM』はそのビジネス拡大を通信環境の迅速かつ安定的な提供でこれからも支えていきます。

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導入企業様情報

岩崎通信機株式会社

岩崎通信機株式会社

プロジェクト担当者部署・役職:
アドバンスドサービス部 部次長 太田孝行さん
アドバンスドサービス部 副部長 菅野壽美さん

ウェブサイト: https://www.iwatsu.co.jp/
EyeOwl: https://www.iwatsu.co.jp/eyeowl/

  • 事業内容:情報通信、印刷システム、電子計測分野における機器の開発、製造、販売及びサービスの提供 等
  • 導入サービス:タンクやサイロの残量を遠隔監視するセンシングシステム「EyeOwl(アイオール)」