全国の介護施設での服薬介助をサポート
誤薬防止システムを3キャリア対応で支えるMEEQ SIM

株式会社理経 様

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導入サービス

MEEQ SIMインターネット接続

MEEQ SIMインターネット接続

超高齢社会を迎えた日本で、欠かせないインフラとなっている介護施設。介護を必要とする人は増え続ける一方、介護士は人手不足が深刻な職種の一つでもあります。

人手不足からくる課題の中でもクリティカルなものとして、服薬介助時のミスが挙げられます。利用者が飲むべき薬の服用が漏れてしまったり、近くで食事をしている利用者の薬と取り違えたり……。こうしたミスを防ぐべく、多くの施設では複数のスタッフが利用者の傍に付いてのチェックがルール化されています。多忙を極める食事介助の時間帯、この「複数人チェック」が入ることで、現場の負担は増しています。

そのような課題を解決するために、株式会社理経は誤薬防止ソリューション「メディアシ」を開発しました。「メディアシ」は、顔認証の技術を活用し、各利用者が飲むべき薬を飲むべきタイミングで服用できているか、自動で照合できるシステムです。飲み忘れがあった際は、システムからアラートメールが届きます。この「メディアシ」で、処方箋や服薬状況のデータが蓄積されているクラウドと調剤薬局、介護施設をつなぐ通信環境をつくるために「MEEQ SIM」が活用されています。

介護現場を支える新サービスの開発にあたり、求められる通信環境の条件とはどのようなものだったのか、どのような経緯で「MEEQ SIM」の導入に至ったのか。AIシステムセールスグループ グループ長の鈴木利之さんと先端技術ラボラトリ 執行役員の山内理史さんに伺いました。

株式会社理経 AIシステムセールスグループ グループ長 鈴木利之さん、先端技術ラボラトリ 執行役員 山内理史さん

株式会社理経 AIシステムセールスグループ グループ長 鈴木利之さん(左)、
先端技術ラボラトリ 執行役員 山内理史さん(右)

課題/ソリューション

課題
  • 全国各地の薬局や介護施設によってつながりやすい通信キャリアが異なる
  • 個人情報を扱うシステムのため、アクセス制限を行いたい
  • コストパフォーマンスよく通信環境を確保したい
ソリューション
  • 3キャリアのSIMをワンストップで提供可能
  • グローバル固定IPアドレスオプションを活用し、薬局に設置されたゲートウェイからのアクセスのみ許可する環境を構築
  • 低コスト・低容量で利用できるIoTに最適なプラン

介護施設内のミス発生リスクを極力抑えた誤薬防止システムを開発

理経が誤薬防止システムの開発に取り組み始めたのは2022年。ある薬局から「取引先の介護施設で誤薬防止のオペレーションの煩雑さが課題になっている。御社の顔認証技術を活用して、ソリューションとなるシステムをつくれないか」との相談が寄せられたのがきっかけです。

理経では、これまで工場での有資格者認証や災害時の避難所利用者の自動認識などに使われる顔認証ソリューションを提供してきましたが、医療・介護関連業界を対象とするサービス展開の経験はありませんでしたが、鈴木さんたちは、既存の誤薬防止システムではカバーできていないニーズをとらえたソリューションを提供できる可能性を見出し、開発に乗り出しました。

誤薬防止システムの中には、服薬する利用者を特定する際に、各利用者に紐づいたIDカードやQRコードが使われるものもあります。この場合、IDカードなどの取り違えが発生すると、別の利用者の処方薬データが呼び出されてしまいますが、顔認証ではこの種の取り違えは起こり得ないため、正確性が高まります。

さらに、理経の開発した「メディアシ」には、他社システムにはないユニークな強みがあります。他社システムでは各利用者の処方内容が変わるごとに、施設スタッフが薬のQRコードを読み取り、システム上の利用者IDと紐づけられて「正データ」となります。このため、施設スタッフが薬の登録時にミスしてしまうと、誤薬防止の意味をなさなくなるのです。

「メディアシ」の場合、正データの登録は調剤薬局で行われるので、介護施設側では利用者の顔画像の登録さえ間違えなければ、薬の取り違えが起きる心配はありません。服薬直前、施設スタッフがスマートフォンで利用者の顔を撮影し、飲もうとする薬の袋に印刷されたQRコードを読み込むと、照合結果が瞬時に表示されます。また、服用時の注意事項も併せて表示されるため、スタッフが利用者の状態を見ながら適切な判断ができる点も特徴です。

メディアシ サービスイメージ

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マルチキャリア、セキュリティ対応、低コストを網羅する「MEEQ SIM」を導入

2023年からの試験運用を経て、2024年6月に正式リリースされた「メディアシ」。「MEEQ SIM」は現在、二つの用途で活用されています。一つは、調剤薬局内の分包機(各患者の処方薬を服薬タイミングごとに一つの袋にまとめる機械)と「メディアシ」クラウドをつなぐゲートウェイからクラウドへの通信。処方箋データと薬包現物に付けられたQRコードのデータをアップしています。

もう一つは、患者の顔画像やQRコードのスキャンデータなどを、介護施設スタッフの利用するスマートフォンとクラウド間でやりとりするための通信。施設スタッフが利用する端末は、ユーザーが手持ちのものを使うこともできますが、ユーザー側に用意がない場合には、理経から「メディアシ」利用のための端末を貸し出し/販売しており、そこで「MEEQ SIM」が使われています。

メディアシ システム構成図

通信回線として、「MEEQ SIM」の選定に至った経緯について、山内さんは「『メディアシ』に必要な条件を満たし、価格もリーズナブルなツールを選ぶとなると、ほぼ『MEEQ SIM』一択だった」と語ります。

まず、全国各地の薬局や介護施設で安定した通信環境を構築するためには、マルチキャリア対応が必須条件でした。特に介護施設は自然豊かなエリアにあることも多く、立地によって電波の入りやすいキャリアが異なります。

「そもそも人手不足を緩和するためのソリューションですから、施設スタッフの皆さんが使いたいタイミングで確実に機能することが大切。『メディアシ』導入の際は、事前に理経スタッフが対象の薬局や介護施設を訪問し、どのキャリアの電波が最も安定しているかを確認します。3キャリア対応の「MEEQ SIM」は、今後導入先を広げていく上でもよいパートナーです」(山内さん)

「実際にこれまで通信トラブルは一度も発生していません。導入先との継続的な信頼関係を築いていく観点でも、運用の安定性は重要です」(鈴木さん)

また、「メディアシ」のデータベースには、処方箋という高度な個人情報が蓄積されています。このため、クラウド環境のセキュリティには細心の注意を払っており、処方箋情報をアップする薬局側PCからの通信時も送信元を限定する必要があります。「MEEQ SIM」ではグローバル固定IPアドレスを使えるオプションがあることも、導入の決め手の一つになりました。

「セキュリティ面に関しては、将来的には閉域網の構築も想定しつつ、現在はグローバル固定IPアドレスの活用で対応しています。『MEEQ SIM』には閉域のプランもあるため、その点も当社のニーズに合っていました。MVNE*の中でも長年、事業展開している会社であることも、『メディアシ』のようなサービスに活用する上での信頼感につながりましたね」(山内さん)

マルチキャリア、セキュリティ対応の2点に加え、SIM選定時のポイントとなったのは価格です。「MEEQ SIM」は低容量プランが充実している点がニーズにマッチしていたといいます。

「介護施設のIT予算はシビアですから、『メディアシ』もできるだけコストを抑える努力をしています。スマートフォンも通話に使うケースはないですし、必要最低限のデータ通信容量を確保できるプランが理想でした。『MEEQ SIM』の運用を進める中、薬局PC用には3GB、スマートフォン用には1GBのプランで十分と分かってきたので、今後もこの構成で行くつもりです」(鈴木さん)

*Mobile Virtual Network Enablerの略で、「仮想移動体サービス提供者」のこと。物理的な回線網を自社では持たず、他の通信事業者から借りる、もしくは再販を受けて、自社ブランドで移動体通信サービスを提供するMVNOに対して、事業構築の支援を行う事業者のこと。

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セキュリティの高度化と活用シーンの拡大を目指して

正式リリースから約1年、「メディアシ」の導入先も広がってきました。ユーザーの中にはスマートフォンの操作が不慣れな介護士さんも少なくありませんが、アプリの操作がハードルとなることもなく、導入先での利用率は100%をキープ。誤薬事故の懸念がなくなっただけでなく、「服薬介助のダブルチェック」から解放されたスタッフの皆さんに、時間と気持ちのゆとりをもたらしています。

鈴木さんと山内さんに、「メディアシ」の今後の展開を伺いました。

「マイナンバーカードの保険証利用も進む中、薬局や医療施設に求められるセキュリティのレベルは今後ますます高まるでしょう。『メディアシ』では、先ほど触れた閉域網の構築のほか、データベースの監視機能を進化させることも検討しており、MEEQのデータプラットフォームにも関心を持っています。AWSと密に連携させ、効率的に現状把握ができる環境をつくりたいですね」(山内さん)

「現在の『メディアシ』は介護施設のオペレーション改善を目的としていますが、実は薬局や病棟でも同じ課題を抱えています。処方箋通りに薬や点滴を用意できているか、複数人でチェックしているのです。技術的には難しい点もありますが、『メディアシ』の応用で対応できないか、検討を進めています」(鈴木さん)

医療・介護施設の利用者、職員、そして経営者の三方にとってメリットの大きい誤薬防止システム。「メディアシ」は、人為ミスが入り込む隙を極力減らしたサービスモデルとアプリに慣れないユーザーにも優しいUIで、現場にリアルな変化をもたらしています。その変化の波が今後、全国各地に波及していくよう、MEEQは安心・安全な通信で支え続けます。

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導入企業様情報

株式会社理経

株式会社理経

プロジェクト担当者部署・役職:AIシステムセールスグループ グループ長 鈴木利之さん、先端技術ラボラトリ 執行役員 山内理史さん

ウェブサイト: https://www.rikei.co.jp/
メディアシ: https://www.rikei.co.jp/product/704/

  • 事業内容:システムソリューション、ネットワークソリューション、電子部品及び機器の提供
  • 導入サービス:誤薬防止アプリケーション「メディアシ」