エネルギー需給の最適化で環境課題の解決に挑む
グリーンテックの最前線で通信環境を提供するMEEQ SIM

株式会社 Greenphard Energy 様

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導入サービス

MEEQ SIMインターネット接続

MEEQ SIMインターネット接続

企業の経済活動に欠かせない電力。特に大規模商業施設や工場・倉庫・物流施設などの大規模事業所にとって、電力をどのように効率よく利用するかというのは、エネルギーコストの観点からも環境課題の観点からも重要なテーマです。他方、電力を供給する電力会社にとっても、従来からの発電手段(火力・水力・原子力)に再生可能エネルギーが加わり電力供給源が多様化するなかで、どのように安定かつ効率的に電力を供給するかは大きな課題となっています。

こうしたなか、電力を消費する商業施設や工場・倉庫・物流施設の冷凍・冷蔵・空調設備の電力需要を最適化することで、仮想的に電力を生み出す「冷凍・冷蔵・空調設備を用いたバーチャルパワープラント(仮想発電所)」の世界初のソリューション事業に挑戦しているのが、2021年に創業した株式会社 Greenphard Energyです。施設内に設置された電力管理設備がセンシングしたデータをクラウド上のサーバーにアップロードするIoTゲートウェイに、通信手段として『MEEQ SIM』をご採用いただきました。今回は、このバーチャルパワープラントの仕組みと『MEEQ SIM』ご採用の背景について、Greenphard Energy代表取締役社長の西山健人さんにお話をお伺いしました。

代表取締役社長 西山健人さん

代表取締役社長 西山健人さん

課題/ソリューション

課題
  • IoT機器によって通信量にばらつきがあり、通信コストが安定しない
  • 事業の特性上SIMが大量に必要になるため、管理が煩雑になってしまう
  • SIMの納期がサービス提供全体のボトルネックになってしまう
ソリューション
  • 複数のSIM間で通信量を共有できるパケットシェアを提供
  • シンプルで使いやすいコンソール画面でSIMの一元管理が可能に
  • アクティベーションの仕様を利用してSIMカードを在庫運用することで調達のリードタイムを短縮

商業施設や工場の冷房・冷蔵・空調設備から
電力を生み出す

「私たちはビルや工場などの冷凍・冷蔵・空調設備から新たなクリーン電力を生み出していくというコンセプトで事業を展開しています。最先端のAI、IoT技術と最新の電力供給システムを組み合わせることによって、冷凍・冷蔵・空調設備を用いたバーチャルパワープラント(仮想発電所)の最先端ソリューションを世界で初めて展開しているのです。冷凍・冷蔵・空調という大電力を使う施設・設備からお客様の業務オペレーションを変えることなく電気を生み出していくというのが、私たちの事業のユニークネスになります」(西山さん)。

基本的な電力供給の仕組みを説明すると、電力は電気を供給する側(電力会社)の発電量と電気を使用する側(ビルや工場など)の使用量が常に同量でなければならないという「同時同量の原則」というものがあります。この原則が崩れてしまうと、発電側も使用側も機械の故障などのインシデントを招くことになるのです。そのため、電気を使用するビルや工場などの需要が高まったタイミングでは、発電側が発電量を増やすことでバランスを取っています。特に近年は、電力発電手段が多様化し再生可能エネルギーの割合が増加していることで、電力会社にとって需給バランスを保つことは非常に困難な作業になってきているのだそうです。

Greenphard EnergyのIoTサービスは、ビルや工場などの冷凍庫、冷蔵庫、空調設備などにIoT機器を取付けてセンシングし、地域の電力需要が高まり追加発電が必要になったタイミングで施設の電力使用量を削減し最適化。これにより、本来追加で発電しなければならなかった電力量と同じ価値を電力使用者側で生み出すことができるのです。もちろん、ビルや工場には発電施設や蓄電池はありません。発電しなければならない電力量を消費削減という形で生み出し、その電力を電力市場に拠出するというスキームが、バーチャルパワープラントの大きなポイントなのです。

「私たちが展開するバーチャルパワープラントは、電力の需要側が地域全体の電力バランスの状況に合わせて電力消費を最適化するデマンドレスポンスの仕組みになります。それだけではなく、デマンドレスポンスを実現すると同時に、最先端技術を用いた最適化制御技術により、電力需要側では10%から30%の電力コスト削減ができ、温室効果ガスの削減もダイナミックに実現する。また生み出された電力に応じて、電力市場から収益を得ることや、削減された温室効果ガスの量に応じてカーボンクレジットの獲得もできます。そして、我々の事業は、地域全体で温室効果ガスの削減や電力バランスの安定化や再生可能エネルギー比率の向上にダイレクトに貢献します」(西山さん)。

これまで、電力供給は需要に応じて供給を調整していくという形が長年続いてきました。Greenphard EnergyのIoTサービスは、電力需要をコントローラブルにすることで社会全体のエネルギー消費を最適化・効率化させるという大きなゲームチェンジに挑戦しているのです。

空調設備に設置されたIoT機器

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柔軟性と利便性の高さから『MEEQ SIM』を採用

このGreenphard EnergyのIoTサービスでは、ビルや工場などにある冷凍庫、冷蔵庫、空調設備などの熱交換機器類にIoT機器を接続し、消費電力量のモニタリングや制御を行います。それぞれの機器がモニタリングしたデータはクラウドサーバーへとアップロードされ、クラウド上のAIでデータ解析とフィードバックを行いますが、このデータをアップロードする際のIoTゲートウェイに『MEEQ SIM』が活用されています。「当社のIoTサービスを導入している施設は非常に大規模なものが多く、モニタリングしている熱交換機器類も多いので、各機器からのデータはクラウドにアップロードしてクラウドサーバー側で統合・管理する仕組みになっています」(西山さん)。

それでは、数多くの通信会社のなかから、なぜGreenphard Energyは『MEEQ SIM』を採用されたのでしょうか。西山さんは、まず「パケットシェア」の利便性を挙げています。「施設内にある多くのIoT機器は、それぞれ利用する通信量が大きく異なります。そうした環境に対してひとつの通信量プールを複数のSIMで柔軟に分配できるパケットシェアのプランは最適だと感じました」(西山さん)。

さらに、IoTゲートウェイの数だけSIMを導入する必要があるため、管理しなければならない数も膨れ上がっていきますが、それをひとつのコンソール画面で一元管理できる点も西山さんは評価しています。「多くの機材を集中的に管理していく必要があるので、SIMの通信状況をシンプルに一元管理できるという柔軟性と、コンソール画面のユーザービリティが非常に良かったと感じました」(西山さん)。

そして、最後に西山さんが挙げたのが、『MEEQ SIM』のオペレーション時における利便性の高さです。Greenphard Energyでは、あらかじめまとまった数のSIMを事前に調達し、IoTゲートウェイの実装が決まった段階でSIMをアクティベーションして導入しています。このような柔軟な運用が可能になったのも、『MEEQ SIM』を採用した結果だと西山さんは評価されています。

「私たちとしては、プロジェクトの進捗に応じてIoTゲートウェイを速やかに実装したいのですが、実装が決まってからSIMを調達するとどうしてもタイムラグが発生してしまいます。一方で『MEEQ SIM』ではSIMのアクティベーションを好きなタイミングで行うことができますし、他社の場合にはSIMごとにデータ容量の契約が紐づいていますが『MEEQ SIM』の場合にはパケットシェアが利用できるので、運用時における利便性の高さは非常に良いですね」(西山さん)。

*MEEQ SIM インターネット接続、MEEQ SIM 閉域ネットワーク接続の SIM は、MEEQ コンソール上でアクティベーション操作をしていただくか、SIM挿⼊後通信を開始いただくと自動でアクティベーションされます(期限は着荷より30日以内となります)。

通信量を複数のSIMで共有できるパケットシェア、通信の利用状況を一元管理できるコンソール画面、そして必要なタイミングでアクティベーションできる柔軟性、こうしたポイントは実際の運用でも効果を発揮しているようで、「(従来の通信会社では)これまで手間が掛かっていた部分が大きく改善された」と評価しています。加えて、『MEEQ SIM』の特徴である3キャリア対応も、IoTゲートウェイを実装する現場で効果を発揮しているといいます。

「私たちが制御している(冷房・冷蔵・空調などの)設備は建物にとって非常に重要なものであり、電力をモニタリングするための通信を途切らせるわけにはいきません。そのため、複数のキャリアから柔軟に通信環境を設定できるというのはとても有り難いと感じています。特に工場や倉庫は郊外や地方にあることもありますので、全キャリアの電波がしっかり通っているわけではありません。そうした地域に応じてキャリアを選べるのがいいですね」(西山さん)。

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「地球規模の課題を解決したい」その思いは次のステージへ

Greenphard Energyの創業者である西山さんは、創業以前は商社でエネルギービジネスを手掛けた後航空宇宙事業に従事して人工衛星データソリューションの開発などを手掛けていたそうで、多国籍のチームで大きなプロジェクトを推進してきた経験を活かして「自分の人生を通じて、地球規模の課題をダイレクトに解決できる事業を推進していきたい」という思いで独立・起業したといいます。「小さいことをやっていても地球規模の課題は解決できません。大きなインパクトを生み出すには大きな事業をやっていこうという思いで、現在の事業を展開しています」(西山さん)。

このような強い思いで生まれたGreenphard Energy IoTサービスは、現在は40ほどの拠点に展開しており、今年度はフルスペックでのサービス提供を拡大していく予定だといいます。私たちミークも、サービスが導入される多くの拠点に安定した通信環境を提供することを通じて、Greenphard Energyのビジネス拡大とエネルギー課題・環境課題の解決に貢献していきます。

「私たちのステージとしては、いわゆるスタートアップとしてのプロダクトマーケットフィットのステージは終わり、これから一気に導入拠点を拡大していきたいというタイミングにいます。そのなかでミークさんと一緒にビジネスを拡大していきればと考えています。またこの事業は日本国内に限ったものではないため、これからの海外への事業展開もぜひサポートいただきたいですね」(西山さん)。

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導入企業様情報

株式会社 Greenphard Energy

株式会社 Greenphard Energy

プロジェクト担当者部署・役職:代表取締役社長 西山健人さん

ウェブサイト: https://greenphard.com/

  • 事業内容:IoTと電力リソースアグリゲーションSaaS
  • 導入サービス:工場・物流施設などの大規模事業所に導入したDRソリューション(仮想蓄電池)